happy_ryo

2012.09.22

iOS6で設定の中にある「デベロッパ」が更に便利に

今週は色々とバタバタした週でした、iOS6がリリースされたり、iPhone5が発売されたり。
そんなタイミングなので、今回はiOS6に追加された開発に便利な機能の紹介をしたいと思います。

今までは、設定画面の中にある「デベロッパ」の項目の中にはバッテリーのログを取る機能のON・OFFくらいしかメニューが無かったのですが、iOS6になっていくつかのメニューが追加されました。

追加されたのは
・Network Link Conditioner
・iAd Developer App Testing
・PassKit Testing
の3項目です。

iAd Developer App Testingでは、開発中のアプリケーションに導入されたiAdの配信率を設定することが出来ます。
また、iAdの更新間隔を15秒から120秒の間で調整することが可能です。
この機能が導入されたことで、iAdから広告が配信されない場合に、iAdのViewを隠さなければいけないという規約に従うためのテストを「機内モード」などを使った擬似的な物では無く、本番の環境と同じ状況で行うことが出来るようになりました。

次に、PassKit Testingですが、こちらはiOS6で新しく導入されたPassbookで利用するクーポンの開発で利用します。Passbook周りの通信ではHTTPS通信が必須なのですが、Allow HTTP Servicesをオンにする事でHTTP通信を使って開発することが出来ます。調査の為や、開発時にSSLが用意できないときなど重宝すると思います。

最後に、Network Link Conditionerです。
 
この設定は、ネットワークの通信状況を上の画像のように細かく設定することが出来ます。
Enableの項目をオンにする事で、Choose a profileで選択したプロファイルの設定内容に従ってネットワークの接続状況を制限します。全く接続出来ない状況や、レイテンシーが高い状況、劣悪な回線状況などを再現することが出来ます。これによって、今までは開発者が各々工夫して行っていたネットワークの接続状況によるアプリケーションの挙動の調査などが、OSレベルでサポートされ標準的な手法で行うことが出来るようになりました。国毎に通信の整備状況は違いますし、国内に絞ってもLTE対応端末とLTE非対応の端末が混在している状況なので、ターゲットとなる層にあわせたプロファイルを用意して開発することが出来るこの機能は重要な項目だと思います。

iOS6になって、色々と変更がありましたが、この「デベロッパ」の拡張は地味に嬉しい変更だったので紹介してみました。